泣けてきそうになった時、不意に両手をヒカルの両手に掴まれた。
「だからね美緒、そういうことなの!」
「…は?」
「好きになろうと努力しても、好きになれるもんじゃないの。あたしようやくわかってきたよ。結城さんのことは、努力しなくても好きになってたんだもん」
そんなことはわかっている。
ヒカルこそ気付くのが遅い。
しかしヒカルはとても真剣な目で、真っ直ぐにあたしを見つめてくるから、何も言えなかった。
「それと一緒なんだよ。好きじゃなくなろうって努力しても、やっぱりムリなんだよ」
「あ…」
「兄妹だからって割り切ろうとしても、そう簡単にはいかないんだよ」
人の気持ちって厄介だよね。
そう言ったヒカルの声には、疲れが少しにじんでいたようだった。
「だから美緒。自分を責めちゃダメだよ。答えはゆっくり見つかるはずだからさ」
「ヒカル…」
「なーんて。ちょっとエラそうだったかな?」
丸い頬を赤く染めるヒカルは、少し変わった。
以前より大人になったのかもしれない。
恋が彼女を成長させたなら、あたしはどうなんだろうかと、ヒカルの笑顔を見ながら思った。
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