「この日って、美緒の誕生日だよね?」
「……うん」
「じゃあ…三上くんと一緒に行くの?」
その問いには、さすがにすぐには答えられず、ヒカルとの間に沈黙が流れる。
そう、あたしは誕生日に彼氏とは別の男のもとへ行こうとしているんだ。
自分でもおかしいと思う。
やってはいけないことだとも思う。
でもたぶん、三上くんにこのことを話しても、彼はあっさりと許してくれる気がする。
あの涼しい顔で「俺も行っていいの?」くらいは言いそうだ。
彼はいままで出会ったどの男の人より、心が広く、誰より優しい。
あたしの願いなら、何だって無条件で叶えようとしてくれるだろう。
だからこそ、言えない。
恭一のライブに行きたいなんて。
「あたしは、三上くんが好き」
ぽつりと呟くと、ヒカルに笑われた。
「知ってるって~」
「…でも、恭一のことも好きだった。それを妹としての好きに変えようとしたけど…」
結局自分の気持ちがどうなったのか、あたしはよくわからない。


