あたしは後ろ手に、自分の鞄をギュッと握った。
恭一のことで頭をいっぱいにしてどうする。
あたしの頭は、三上くんでいっぱいになってなきゃならないのに。
自分が嫌になる。
「みーおー? バケツはどこ置いてきたのよ?」
ユリが三上くんの後ろから、あきれたように雑巾を揺らして言った。
そういえば、とハッとする。
水飲み場に置いてきたままだ。
おまけに先輩たちにも何も言わずにここに来てしまった。
「ご、ごめん。取ってくる」
そしてあたしは逃げるように教室を飛び出し、水飲み場へと向かった。
そこにはまだ先輩たちが待ってくれていて、笑われてしまった。
二人は不思議そうにしていたけれど、あたしはそれ以上彼らに何か訊くことも、話すこともできず、
空笑いをしながらバケツを教室に持ち帰った。
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