ぐちゃぐちゃに絡まっていた糸が突然ほどけて、それが実はたった一本の糸だったような…。
信じられなくて、けれど答えはもう明らかになっているような、不思議な感覚。
あたしはバケツをそのままに、先輩たちを置いて走り出していた。
まだ掃除中の自分の教室に飛び込み、後ろの棚に避難させていた鞄を引き出す。
「あれ。美緒、バケツは?」
気付いたユリに声をかけられたけれど、返事をする余裕はない。
鞄をあさり、手帳に挟んでおいたチケット袋を手に取る。
恭一はまだ何か、あたしに隠していることがある。
それを全て、話すと言っていたけれど。
もしかしてこのチケットを渡してくれたところから、告白は始まっていた?
震えそうになる指で、袋を開いて中身を取り出す。
入っていた二枚のチケットには大きく、
『PaPa Noel』
そう印刷されていた。
一月十五日、インディーズバンド、パパノエルの単独ライブ。
あたしの脳はほんの一瞬、活動を止めた。


