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「美緒ー! 起きなさーい! いつまで寝てるのー」


階下から、お母さんの大きな声が聞こえてきた。

ベッドの上で毛布にくるまりながら、あたしは深くため息をつく。

一睡もできなかった。

体を起こすと、冷えた空気に鳥肌が立つ。

学校に行きたくない。

でも今日は終業式だ。

その前に大掃除があるし、冬休みの課題も配られるだろうから、行かないと。

それに、三上くんも心配するだろうし…。

けれど、学校に行きたくない理由が彼にあることも確かだ。

会いたくないんじゃない。

どんな顔をして会えばいいのか、わからない。

恭一と、あんなことをしておいて。

話すわけにもいかないけれど、三上くんに隠しごとなんてできるだろうか。

あんなに鋭い人相手に…。


「ってゆーか、何であたし…隠そうとしてるんだろ」


心にやましいことがないのなら、正直に話せばいいとも思う。

恭一の意図はわからないけど、突然キスをされたって。