ずっと待っていた。
恭一からの連絡を、ずっとずっと。
なのにどうしてだろう。
すぐに通話ボタンを押すことが出来ないのは。
指が、震えてしまうのは。
呼吸が、乱れてしまうのは。
不安と期待で、胸が膨れ上がるのは。
音が鳴り止んでしまう前に、あたしはボタンを押した。
「……もしもし」
携帯電話を耳に当てると、まず風の音がした。
「………恭一?」
問いかけるように名前を呼ぶと、電話の向こうで相手が息を飲むのがわかった。
「恭一、お願い。何か言って…」
『…………美緒ちゃん』
ああ…。
恭一の声だ。
久しぶりに聞くその声に、あたしは体を震わせた。
「恭一…恭一……」
『美緒ちゃん。……窓の外、見てみて』
「え…」
ハッとして、あたしはベッドに飛び乗り、カーテンを開いた。


