「じゃあ、今日は楽しかったよ」
「あたしも。ごちそうさまでした。グランパたちによろしくね」
「うん。おやすみ。また明日」
ちょっと早いけど、メリークリスマス。
白い息を吐きながらそう囁いて、三上くんは帰っていった。
小さくなっていく背中を見送って、あたしは家のポーチに移動する。
短いデートだったけれど、なんだかぐっと、三上くんとの距離が縮まった気がした。
「ただいまー」
玄関に入ると、お父さんの靴があった。
リビングの方から「おかえり」と、お母さんの声がする。
脱いだブーツにブーツキーパーを挿してリビングに入ると、お母さんはキッチンの片付けをしていた。
窓に近いのは、ソファーで新聞の夕刊を読んでいるお父さん。
「おかえり。…遅かったな」
縁のない眼鏡をかけたお父さんが、あたしを見て新聞を閉じる。
お母さんはこっちを向いて笑っていた。
やっぱり窓から見ていたのはお父さんか。
でもそのことより、いまようやく気付いたことがあって、そっちにあたしは大きく動揺していた。


