「できた」
最後に彼の手が、あたしの髪をチェーンの外に出してくれる。
あたしは指先で、真ん中で揺れる二つの輪を顔に寄せた。
ピンクゴールドのアクセサリーをつけるのは初めてだ。
なんて柔らかく輝くんだろう。
「すごく綺麗。三上くん、ありが………」
顔を上げた瞬間、あたしの声は、不意に重なった彼の唇によって吸い込まれた。
まるで見計らったかのように、噴水の水が一気に高く吹き出して、歓声が上がる。
でもあたしは、それどころじゃない。
髪をゆっくり撫でる手が離れると同時に、唇も離れていった。
キスをする時、眼鏡はそれほど邪魔にはならないこと知ったのは、彼と何度か口付けを交わしてから。
「…うん。やっぱり似合うよ」
三上くんは満足げに頷いて、あたしのプレゼントした黒い手袋をはめた。
大きさはちょうどいいらしく、ワンポイントの部分を感心したように撫でている。
あたしはしばらく、真っ赤になっているだろう顔を上げることができなくて困った。


