店のロゴ入りの小さな紙袋を見ていると、ヒカルがあたしの腕に絡みついてきた。
「美緒が彼氏にプレゼントかあ~」
「………変、かな?」
「何で? 変じゃないよ~。そうじゃなくって、時の流れを感じちゃうなぁって」
「まあ、ね。ヒカルだって、色々また誘われてるんじゃないの?」
「んー、でも予定入ってるからね」
「え。新しい男?」
「ちがーう! 学校の友だちたちと!」
なんてヒカルは反論していたけれど、『友だちたち』の中にはきっとヒカル目当ての男もいたりするんだろう。
もう彼女がどんなに簡単に交際を始めようが、どんなダメ男と付き合おうが、あたしは何も言わないつもりだ。
ヒカルはもう結城さんのことで、本物の恋を知っているはずだから。
「美緒って手袋しないよねぇ。寒くないの?」
「えっ? ああ…」
不意に尋ねられ、あたしは自分の冷えた手を見た。
ヒカルはモコモコとした白い手袋をしていて、その両手であたしの手を温めるように挟んでくれた。


