ミッキーさんを三上くんは呼び止めて何か話していたけど、会話は聴こえない。
すぐに二人は別れて、三上くんが戻ってきた。
「どうしたの?」
「いや。…酒井さんは元気にしてますって、伝えて下さいってお願いしてきた」
「三上くん…」
バイクに乗る時は眼鏡をしない三上くん。
涼しげで綺麗な奥二重の瞳は、優しげにあたしを見て微笑む。
どうしてそんなに優しいの?
あたし、恭一のことばっかり考えてるんだよ?
三上くんはそんなあたしの心くらい、手に取るようにわかってるんでしょう?
それでも三上くんは、あたしの為に笑ってくれるんだ。
「三上くん」
「うん?」
あたしは背伸びをして、彼の薄い唇にキスをした。
「…ありがとう」
感謝の言葉の中に、罪悪感の心を潜ませて。
それもわかっているだろう三上くんは、黙ってキスを返してくれた。
それからすぐ、あたしはここが店の前だってことを忘れてて、慌てて三上くんの背中を押し、バイクに乗った。
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