あたしたちのすぐそばにバイクが止まる。
黒く光る400ccのバイク。
三上くんだった。
フルフェイスのメットを外した三上くんは、ハルカさんたちを見据えてからあたしを見た。
「ごめん遅れて。…この人たちは?」
「あ…恭一の、バンドのメンバーだって」
彼はほっとしたように頷いて、バイクを停めた。
ミッキーさんは細い目を丸くして、三上くんを見下ろす。
「ええと…もしかして、美緒ちゃん。彼氏?」
「え。はい、そうですけど…」
「そっか。……うん、やっぱり二枚持ってきててよかったなー」
ミッキーさんはジャケットのポケットから、紙のチケット入れを出した。
それを差し出され、あたしは戸惑う。
「何ですか?」
「今度のライブのチケット」
「…ライブって」
「ずっと活動休止してたんだけど、新しいメンバーが決まったんだ。毎年24日にはライブやってるんだけど、今年は活動再開祝いと新メンバー歓迎も兼ねて派手にやるつもりなんだよね。ぜひ美緒ちゃんに来てほしいな」
そこの彼氏も一緒に。
ミッキーさんは優しげな微笑みを三上くんに向けた。


