あたしはミッキーさんを見上げて、こそこそ尋ねる。
「なんであの人、女のフリなんてしてたんですか…?」
「ああ~…なんて言えばいいのかな。ニューハーフとかじゃなくてね。ハルカは昔から、独占欲が強いんだよね」
「はあ…?」
「ひどい寂しがり屋でもあるからかな。仲が良い人間に対する執着がすごくて。俺たちバンドのメンバーには特になんだ」
「え。じゃああなたも…」
「うん。俺もバンドのドラムやってます」
そっか。
この人がドラムで、ハルカさんがベースで、恭一がヴォーカル。
じゃあ…探しているというメンバーはギタリストか。
「昔からコイツ、しょっちゅう女装して俺たちと行動しててね。近づいてくる女のコたちみんな牽制してくれちゃうもんだから、俺らはロクに彼女も作れなくて困ってるんだよ」
「そんなのアンタらがモテないだけだよ」
ハルカさんは聞こえていたようで、冷めた声で断言した。
ミッキーさんはニコニコしながら肩をすくめる。
彼は美形ってワケじゃないけど、背高いし温厚そうだし、モテないことはないんじゃないかな。
恭一だってあんなヘラ男だけど、顔はイイし。


