バイトが終わると、親が来ているからとヒカルは先に店を出て行った。
あたしは着替えて首にマフラーを巻ながら携帯電話をチェックする。
三上くんからはまだ連絡が入っていない。
いつもは時間より少し前に来て待っていてくれる優しい彼氏。
今日はあたしが先に外に出て待っていよう。
そう思って、深夜シフトのアルバイト仲間にあいさつして店を出た。
風はないけれど、しびれるくらい冷えている。
冬の空に雲はなく、巨大なオリオン座がはっきり見えた。
北斗七星はどこだろうと、白い息を吐きながらぐるりと首を回した時。
「酒井、美緒さん?」
横から、声をかけられた。
少し甘さのある優しい響きの男の声。
三上くんじゃない。
目を星座からそちらに向けると、店の自販機の前に見知らぬ男の人が2人、並んで立っていた。


