通されたリビングはまた広く、アンティーク調のフロアライトの下、窓側には大きなソファー、逆サイドにはオープンキッチンにダイニングテーブル。
派手な装飾はないけれど、至るところに飾られた花や観葉植物が、充分に部屋を明るく柔らかに演出していた。
「座ってて。いま用意するから」
鞄をソファーの横に置いて、三上くんはグランパとキッチンに立つ。
あたしは窓際の白い革張りソファーに座ろうとして、先客に気づき動きを止めた。
今度は猫だった。
青みがかった灰色…いや銀色だろうか。
不思議な毛色の猫がソファーの上で丸くなっていて、あたしに気づき顔を上げた。
エメラルドグリーンの瞳と目が合って、その美しさにため息がもれる。
しっとりと艶やかに光る毛、ふっくらした口元。
気品がその小さな体から溢れ出していて、性別はわからないけれどお姫さまみたいだと思った。
静かに横に座り、観察する。
お姫さまも警戒しているのか、じっとあたしを見上げてくる。
しばらく見つめ合ってから、そろそろとしなやかな体に手を伸ばしたら、お姫さまはぷいと顔を背けて、一人掛けのソファーに軽やかにジャンプして離れていってしまった。


