あたしはスリッパに履き替えて、しゃがんでグランパの頭をそっと撫でる。
グランパは気持ち良さそうにつぶらな黒い瞳を細めた。
かわいい…。
「グランパは男のコ?」
「うん。ミニチュア・シュナウザーのオスで4才」
三上くんが前に話していた通り、グランパはおじいちゃんのような顔をしていた。
ふさふさの口ひげに長い眉。
昔こんな顔の総理大臣がいたんじゃなかったかな。
「どうぞ。お茶入れるよ。おいでグランパ」
三上くんが呼ぶと、グランパは従順に彼の後について歩き出した。
あたしも立ち上がり、彼らの後に続いた。
…そういえば。
誰もいないって三上くん、さっき言っていたっけ。
ちょっとだけそれを意識してしまい、落ち着けと自分に言い聞かせた。


