外壁と同じく真っ白なタイルが敷き詰められた広い玄関に入ると、その天井の高さに驚いた。
三階まで吹き抜けになっていて、真上には天窓がついており、日の光が存分に入ってきている。
正面の階段の脇にはクリスマスツリーが飾られていて、電飾が控えめにチカチカと輝いていた。
…これ、本物のモミの木じゃないの?
左脇の花瓶に飾られていたピンクローズの香りに包まれ、あたしは一瞬ここが日本ではないような錯覚を起こした。
「どうかした?」
「え。ううん…広いなと思って」
「ああ、一昨年増築したからね」
三上くんがそう答えた時、廊下の左側の部屋からトタトタトタと小さな白い固まりが出てきた。
その白いものはスリッパ立ての前にちょこんと座り、あたしたちを静かに見上げた。
真っ白な犬だ。
「ただいまグランパ」
三上くんがメガネの奥の瞳を柔らかくして声をかけると、グランパと呼ばれた白い犬は一声鳴いて応えた。
「酒井さん、コイツがグランパ。噛まないし大人しいから、触っても大丈夫だよ」
靴を脱いだ三上くんは、スリッパをあたしに用意しながら教えてくれた。


