ああ、そうか…
コータ先輩はあたしが恭一を好きだったことを知っている。
でもあたしたちが兄妹だったことは知らない。
あの後そんなに経たずに三上くんと付き合いを始めたから、ヤケになったかとでも思ったのかな。
心配してくれてたんだ。
「アンタ前に失恋したって言ってたじゃん? それってあの噂になってた金髪の人?」
「…はい」
「…もう大丈夫なの?」
「アイツのことは…多分一生好きだと思います。恋とかじゃなくなっても」
兄妹だから。
恋は忘れられても、兄は忘れられるものじゃない。
もし二度と会えなくなったとしても、あたしは恭一のことがずっといまのまま好きなんだろう。
「でもいまは、三上くんが好きです。だから大丈夫」
「そっか。あー…あの金髪の人さ、誰かに似てるよね? 芸能人かなァ。遠くからしか見てないけど、けっこうカッコイイっぽいよね」
「そうかなァ…」
「ま、コータ先輩のが断然カッコイイけどね!」
明るく背中を叩いてくる先輩に、あたしはむせながら笑った。
この人が困っていたら、今度はあたしが助けたいと思った。
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