『いま、どの辺?』
「え?」
『行くから。場所教えて』
「え、な、なんで? 大丈夫だよ? ほら、もう遅いし…」
『いいから。大丈夫だから』
いつもより幾分優しい声で言われ、あたしの甘ったれた部分が唇を動かしていた。
「S駅の近く…」
まだコンビニだとはなんとなく言えずに、店から一番近い大きな駅の名前を出していた。
『わかった。すぐ行くから、待ってて』
返事をするとすぐに電話は切れた。
途切れた電話をしばらく見つめていたけれど、店からお客さんが出てきたところでハッとして、あたしはノロノロと駅に向かって歩き出した。
暖かな場所を求めるように…
救われたくて、足を動かしていた。


