恭一の、きつく握り込まれた手にそっと触れる。
目の前の体が大げさなほどにビクリと揺れた。
なにを…そんなに緊張してるの?
「……恭一?」
冷たい指先を掘り出して、わらをも掴むような気持ちで握る。
「ウソ、だよね」
「………」
「そんな約束…する意味ナイし、ね?」
ウソに決まってるじゃん。
そう笑って答えてほしいのに、広い背中は固まったまま。
冷たい指先もあたしの手には応えてくれない。
「もう話しちゃえばいいじゃない」
ハルカさんのため息混じりの声。
「ムリだよもう。何がムリって、自分が一番よくわかってるんじゃないの」
「……黙れよ」
「幻滅したね。アンタにとってバンドって、どの辺に位置してるんだか。二番? 三番? ランク外だったりして」
「黙れって…」
「アンタが言えないなら、代わりに言ってあげようか。…アンタも聞きたいでしょ? ホントのコト」


