このキレイな人の細腕のどこに、そんな力が隠されていたのか。
殴られた恭一は横に吹き飛び、店のガラスにぶつかった。
「ちょ…っ!? なにするんですか!」
「部外者は黙ってな」
冷淡な目つきに声音。
この人、ほんとにハルカさんなのかって疑いたくなるような豹変ぶりだ。
「あきれたね。自分で恥ずかしいとか思わないワケ?」
「…っ。なんのコトだよ」
恭一は口内を切ったのか、口の端から流れた血を拭い立ち上がる。
「まったく信じらんない。長い付き合いだけど、そこまでバカだったとは思ってなかったよ」
「だからなんのコトだよ! いきなり殴りやがって! こないだの仕返しか!? ありゃお前がワルかったんだろっ!」
「黙れこの腐れチン〇!!」
真っ赤なルージュがひかれたキレイな唇から、聞くにたえない言葉が飛び出す。
この二人を一時は、恋人同士に思っていたこともあったというのに。
唖然とするあたしは蚊帳の外。


