勢いよく煙りを吐き出して、美女は足を肩幅に開いた。
威圧的なその態度に、当然あたしはムッとする。
「恭一はマジメにバンドの方に行ってるんじゃないんですか?」
「来てるよ。でもマジメにっていうのは違うわ」
「は?」
「使いものにならないの。練習も身に入ってないし。メンバー探しなんてありえない。曲作りもさっぱり」
曲作りって…まさかあのヘラ男が曲を書いてるってこと?
信じられない。
「使いものにならないって…」
「とにかくボケっとしてるの。魂抜けたみたいに。ウザいくらいのテンションの高さが取り柄なのに」
何気にこの人、ひどいこと言ってる。
恭一の元気のなさに心当たりがあるあたしは、でもいまは三上くんが後ろにいるから何も言えない。
そんなあたしの気持ちなんて、鋭い三上くんなら気づいてしまうだろうけど。
あたしが黙りこむとハルカさんは怪訝な顔をして、それから三上くんの存在に気づいた。


