「あいつ、何しでかすかわかんないから。あたしのコトも、調べ上げたりしてたし…」
三上くんの家くらいなら、とっくに調べてあるかもと言おうとした時。
門の前に見覚えのある姿を見つけた。
スラリとした長身、ゆるく巻いた長い髪、サングラスが大きく見えてしまう小顔…
強烈美人のハルカさんだった。
「ハァイ。おひさしぶり」
ハルカさんはあたしに気づいて、ツカツカと近づいてきた。
レザーコートに黒のロングブーツ。
相変わらずモデルみたいだ。
「何の用ですか」
「あたしがアナタに会いに来る理由なんて、一つしかないと思うけど?」
「…恭一がどうかしたんですか」
ハルカさんはサングラスを外してあたしを睨んだ。
この人は、目を隠さない方が迫力がある。
「アナタ、あいつに何言ったの?」
「……は?」
何のことかと眉をひそめると、彼女はイライラした様子で煙草を取り出し火をつけた。


