「ちょっとォっ!! どゆことっ!? 俺ぜんっぜん聞いてないんだケドッ」
「言ってないもん。…ってゆーか、付き合いはじめたの今日だし」
「なんでなんでっ!? アイツから告ったの? まさか美緒ちゃんからじゃないよね!?」
「あーもうウルサイ! もう放して」
「ヤダっ!! ねぇ、付き合ってるとか嘘だよね? ってゆーか嘘じゃないとダメっ」
恭一は必死な様子であたしに訴えかけてくる。
なぜか、無性に腹が立ってきた。
「なにソレ、意味わかんない。あたしに彼氏ができたら、アンタに不都合でもあるわけ?」
「あるよっ! 俺がサミシイっ!!」
そのふざけたセリフに反し、恭一の顔は真剣だった。
それが余計にムカついて、あたしは気づいた時、恭一の腹を膝で蹴り上げていた。
「ふざけんな! ここに来る暇があるなら、アンタがやるべきコトをやんなさいよ!」
そう叫んで、腹を押さえる恭一を残し、あたしは店に駆け込んだ。


