店の前に着くと、三上くんは恭一を意識してかしないでか、はっきりとこう言った。
「これからは、バイトに行くとき毎回送るから」
「…うん。ありがとう」
「帰りは…」
「帰りは俺が送るんですーっ!!」
三上くんの言葉を遮り、恭一が後ろから叫んだ。
だからコドモかあんたは。
不機嫌丸出しで歯をむいている恭一と、涼しい顔で眉ひとつ動かさない三上くん。
どっちが年上なんだか。
「そうですか。酒井さんはそれでいい?」
「え? …うん。帰りまで送ってもらうのは悪いし。でも、ありがと」
「そう。じゃあ、俺は行くよ。バイトがんばって」
「うん。ホントにありがとう。また明日ね」
1人だと歩くペースが速い三上くんの背中が、角に消えるまで見送ると…
「美緒ちゃァーーーーーんッッッ!!!!」
恭一が抱きつかんばかりの勢いで、あたしの肩を掴んで叫んだ。
予想通りの行動だったけど、声の大きさは想像以上。


