前にコータ先輩をいきなり殴った恭一だから。
意外にケンカっ早いみたいだから、三上くんに手を上げたりしたらどうしようと、こわかった。
「じゃあ、行こうか酒井さん」
「え、あ……うん」
あたしたちは再び歩き出した。
でも、校門を出る前の和やかなムードはどこかへ消えてしまっていて。
しばらく歩いて、あたしは立ち止まり、振り返る。
ため息が出たって仕方ないだろう。
「…なんでついてくんのよ」
数メートル離れて、恭一が原チャを押しながら後をついてきていた。
しかし恭一は答えず、ぷいとそっぽを向く。
コドモかあんたは…
三上くんを見ると、彼はやはり気にした様子はなく、肩をすくめた。
この三人の奇妙な行進は、コンビニまでの道のり、15分ほど続いた。


