「…ってゆーか、深田さんと美緒が兄弟だって前提で話してるけど、その…確認したりした?」
「うん…お父さんに話した」
「ほ、ほんと?」
「ほんと。…お父さん、何も言わなかったけど、すごく動揺してたよ」
朝のお父さんを思い出す。
あの態度は、完全に肯定だった。
まあ、恭一が意味のないウソなんかつくはずもないし、わかってたことなんだけど。
「そっか…」
ヒカルはやっぱり痛そうな顔をして、呟いた。
その顔があんまり痛々しいから、あたしはむりやり話題を変える。
「そういえばヒカル。結城さん、バイト辞めるって言ってたよ」
「…えっ!? ほんと?」
「冬休み前に辞めるって。どうするの?」
「ど、どうするって?」
「好きなんじゃないの?」
「…結城さんに、あたしなんかじゃつり合わないよ」
寂しそうにぽつりと言うヒカル。
変えた話題が悪かったなと、あたしは自分の頭を軽く小突いた。


