秋風が一層、冷たく吹き抜けた。
「…………え?」
残されたあたしは、小一時間その場に固まっていた。
だって、どんな顔して教室に戻れっていうの?
三上くんは前の席なんだよ?
…まあ、三上くんなら何もなかったみたいな涼しい顔で、
「遅かったね」
とか言うんだろうけど。
…なんだろう。
屋上は寒いのに、顔が熱い。
心臓が真正直に動揺してる。
あたしは素直に、うれしいと思った。
だってあの、三上くんだし。
ただ…
やっぱり恭一を好きでいるか、いないかということに彼は関係なく。
彼のコトを考える前に、あたしは恭一のコトにけじめをつけなきゃいけない。
見上げた秋晴れの空は、青色というより、涙色に近かった。
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