昼休み。
三上くんの姿を探してたどり着いたのは、秋晴れの下の屋上。
もうかなり風が冷たいから、誰も使わなくなっているような場所に、静寂が好きな彼はいた。
フェンスを背に、文庫本に目を落としていた優等生は、あたしを見て顔を上げた。
「探しちゃったよ。…寒くないの?」
彼の隣りに腰を下ろす。
三上くんはお弁当箱と、よくコーヒーショップで売られているようなボトルをよけて、スペースを作ってくれた。
かすかに彼からコーヒーの香り。
「寒いとか暑いとか、あんまり感じないんだ。…探したって、何か用?」
「あー、うん。用ってゆーか…昨日のコト、聞きたくて」
「ああ…ちゃんと会えた?」
三上くんはなぜか、校門にいた恭一に、抜け道のことをしゃべったらしい。
あの抜け道を以前に教えてくれたのは彼なのに、なぜ恭一に言ったのか、気になった。
「…なんでアイツに言ったの?」
尋ねると、優等生は小さく笑った。


