妹にならなきゃいけないんだ。
恭一はただ、あたしにそれを望んでいる。
それ以外にはなにも、恭一はあたしに望んでいない。
わかりきっていたコトなのに、どうしてあたしは受け入れられないの?
弱いのは、人間じゃなくて、あたしの心だ。
じわりと涙が浮かびかけたけれど、ガマンした。
涙腺をきゅっと引き締めて、泣くなと自分に言い聞かせる。
もう泣かない。
あたしはこれまで充分泣いたもん。
だからもう二度と、恭一のことで涙は流さない。
それならあたしは、アンタのそばにいてもいいかな?
邪魔な気持ちは捨て去って、わがまま言ったりしないから。
アンタを困らせたりしないから。
だから…
あたしはうどんを残さず全部食べて、箸を置いた。
ちょっと薄味のうどん。
きっとあたしは、この味を忘れない。


