恭一が黙ってしまったから、あたしは仕方なく座布団の上に座り、部屋を見回す。
黄ばんだ壁、カーテンは古っぽい。
でもきちんと掃除されてるみたい。
恭一は手慣れているようで、ちゃっちゃとうどんを2人分作ってテーブルに並べた。
ネギにタマゴにワカメ…美味しそう。
「さ。食べよっか」
「んん………」
「食べなきゃダメだよ。みんな心配してる。食べたくないかもしれないけど、とりあえず口に入れてみよう?」
わずかに垂れた瞳に、あたしのやつれ気味な顔が映っている。
仕方なく、割り箸を割った。
「…いただきます」
「ゆっくりでいいよ。よく噛んでね?」
ほんとに一口だけのつもりで、うどんを食べた。
でも、予想外に美味しくて…
あたしは難なく飲み込めた。
「おいしい…」
「ほんとっ? よかったあ」
安心したと、ヘラっと笑って恭一も箸を割った。
「ごめんね美緒ちゃん。ごはん食べられなくなるくらい、キミを悩ませちゃって」
「…え?」
「そうだよねぇ。フツー悩むよね。俺、ちゃんと美緒ちゃんの気持ちを考えてなかったのかも。腹違いの兄貴がいるなんてイキナリ言われても、そりゃ困っちゃうよ」


