ダメだよ恭一。
まだ好きなの。
まだあたしは、あんたの妹にはなれないの。
どうやってあんたの顔を見ていいのか、どんな声であんたの名前を呼べばいいのか、
全然わからないから。
会いたいけど、会えないの。
でも恭一がすぐそこにいると思うと、正直な体が反応してしまう。
目が、足が、手が、あんたへと向かってしまうの。
「ねぇ、三上くん」
「なに?」
「人間に、強い部分なんて…あるのかなァ」
…って、何をいきなりあたしは言ってるんだ。
三上くんは不思議そうにあたしの視線を追って、外を見た。
「…あるよ」
「え?」
「あるよ、強い部分」
「ほんと? どこ?」
「さあね」
小さく笑って、三上くんは教室を出て行く。
…なんで教えてくれないわけ?
あたしは慌てて彼を追った。


