「…まだ好きなんですか?」

「んー…どうかな。もう好きって言うつもりはないけど、嫌われたまんまは悲しいからさ。…せめて昔みたいにしゃべれるようになれたらって、思ってるんだよね」


あたしはなんとなく、ユウナ先輩の気持ちとシンクロして切ない気持ちになった。

好きって言うつもりはないけど…

そばにいたい。

笑い合いたい。

でも、耐えられる?


昼休みが終わる前に、あたしたちは空き教室を出た。


「あ、コレ。お弁当のお礼にもらって」

「…? MD?」

「あたしのお気に入りセレクション。元気になる曲ばっか入ってるから」

「いいんですか?」

「うん、あげる。だから元気だしなよ」


年上っぽく微笑んで、ユウナ先輩は先に行った。

…素敵な人なのにな。

コータ先輩との仲を、お節介にも応援したくなった。