告白 1&2‐synchronize love‐


「美緒ちゃん……俺は、あきらめないからね」


迷い、苛立ち、戸惑い、痛み。

様々な感情の色を浮かべながらも、強い意志がそこにはあった。


何それ…


先に歩き出していたハルカさんを追いかけ、恭一があたしに背を向ける。

ずり落ちたシャツの下に、あのトライバルちらりと見えた。

去り行く背中にかけたかった言葉。


行かないで…


それを飲み込んだと同時に、あたしは涙を流した。

ダメだ。

自覚してしまったら、もうごまかせない。

涙が、止まらない。


「美緒」


大丈夫か?

コータ先輩の手が、あたしの頭に伸びかけて途中で止まる。


触らないで…


そんな心の声が、コータ先輩には聞こえたのかもしれない。

良かった。

いま触れられたらきっと、あたしは先輩の手を、振り払っていただろうから。


それからあたしが泣き止むまで、先輩は野次馬の目からあたしを隠すようにただ、立ってくれていた。