告白 1&2‐synchronize love‐


不思議な話だけど、恭一は学校では毎日待ち伏せしてるけど、家にはまったく来ていない。

こっちで待ち伏せした方が確実なのに。

バイト終わりのあたしを原チャで送ってくれてたときも、家の前までじゃなく、少し離れたトコであたしをおろしていたっけ。

徹底的なまでに、家に近づかないのだ。

そこにも、恭一の謎が隠されているんだろう。

気になるけれど、その謎はたぶんもう解けない。


「美緒ちゃんに呼ばれたら、いつだって、どこにだって飛んでくよ」


恭一のそのセリフを聞いたとき、なに言ってるんだって思ったけど、

いま考えれば、なんてうれしい言葉だろう。

だって恭一はきっと、約束を破らない。


でも、呼べないよ…


秋晴れの空を見上げると、トンボがすいと横切っていった。