告白 1&2‐synchronize love‐


雑巾投げでもして遊んでいたんだろう。


「アイ、大丈夫っ?」

「…クソっ! なんなんだよ!」


アイって人は雑巾を地面に叩きつけ、上方の生徒とあたしを強く睨みつけてから、肩を怒らせて去っていった。

他の人たちもそれを追いかけていく。

ユウナっていうらしい美人だけ、しばらくあたしを見てたけど、そのまま何も言わずに去っていった。


「大丈夫~?」


また上から声が降ってくる。

さっき雑巾を落とした男女…たぶん先輩があたしに手をふっている。

なんだ、そっか。

助けられたのか。


「あの! ありがとうございました!」

「いえいえ~!」

「ええと…いまの、見なかったことにしてもらえますかっ?」

「え、何でー?」


そんなの、また変な噂になったら面倒だからに決まってる。

静かにしてるのが一番いいんだってことを、あたしはよく知っていた。


「お願いしますっ」


彼らに深く頭を下げて、昼休みが終わる前に急いで校舎に戻った。