そして木と芝垣に隠れたところ、
グラウンドをぐるりと囲むフェンスの下に、人が一人通れるくらいの小さな『穴』を見つけた。
「何で穴が? …ってゆーか、」
どうして三上くんがこんなものを?
もしかして、三上くんがこの穴を開けた?
いやいや、まさか。
優等生がそんなコトするわけないじゃん。
疑問を抱きながらも、あたしは四つん這いになって穴から敷地の外へと抜け出した。
優等生がこんなモノの存在まで知っているなんて。
「たまたま知っただけだよ」
なぜ知っているのか尋ねても、こんな風にさらりと答えるだけなんだろうけど。
とりあえず三上くんに感謝をして、あたしは学校から離れた。
見つからないよう遠回りをして、一つ先のバス停に向かう。
ほっとしたと同時に、がっかりもしている自分にうんざりした。
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