告白 1&2‐synchronize love‐


あたしは泣きながら、小さく笑えた。


「…三上くんこそ、なにしてたの?」

「図書室に頼んでた本が入ったから、読んできた」


優等生は、帰る準備をしながら答える。

あたしはまだ、ぼんやり校門を見ていたけど、なんとか涙は止まってくれた。


「…帰らないの?」


三上くんが動かないあたしに問いかける。


「帰れないの」

「帰れない?」


彼はあたしの目線を追って、「ふうん」と相槌。


「…イイコト教えてあげようか」

「え?」

「体育館の裏に行ってみるといいよ。木に隠れてるから、見つけにくいかもしれないけど」

「体育館…?」

「うん。じゃあ、お先に」


優等生は意味不明なことを言って、さっさと帰っていった。

いつもの涼しい顔で、そっけなく。


「体育館…」


でも彼がクールに見えて、実は優しい人だってあたしは知っている。

もう一度校門を見て、迷いながらも立ち上がった。