結局また、優等生のノートを借りてしまった。

三上くんはやっぱりもの珍しそうにあたしを見ていたけど、何も言わずに綺麗なノートをくれた。

そういうトコが、いいと思う。

だから女友だちといるより、彼と短い会話を交わす方が、あたしは好きなんだ。

気持ちが楽になる。

帰りのSHRが終わって、当番が掃除をはじめる中、帰ろうと立ち上がったところで…


「あ………」


窓の外、校門の前に、キャップを被った金髪を見つけてしまった。

門に張り付くようにしながら、出てくる生徒をジロジロ見ているその姿は、完璧に不審者だ。

放っておいたらまた、不審者扱いされて先生に捕まるんじゃないだろうか。

でも、そうだよね…

電話もメールもダメなら、ココに来るよ。

ホントは、恭一はバイト先に来るだろうと予想していた。

だからあたしは先手を打っておいたんだ。