高2で17歳…


彼の言葉を噛み締めるように反芻する。



「私と、一つしか違わない…」



まさかなんだけど。一つしか歳が変わらないとか。


秋月くんは落ち着いているし、全然17歳には見えない。


ふと今日初めて秋月くんの全身を意識して見た。


よく見れば、彼の纏っている服は制服。


それも、見たことある制服。お兄ちゃんと同じ、



「その制服、瀧澤学園ですよね?」


「ああ」



なんかもう、驚くことにも疲れてしまった。


私の予想は大ハズレ。


制服を着ていたことにも全然気づかなくて、今気づく始末。


お兄ちゃんと同じ制服なのに。



でもでも!私が分からなかったのもしょうがないと思う。


だって、秋月くんは本当に落ち着いていて、大人っぽくて、かっこいいんだもん。


間違えてしまうのも仕方がないって、うん。


一人で納得している私に秋月くんが変な目で見ていたけど知らない。気にしない。


それからは、秋月くんが一個上だったという大きな衝撃で何も考えられなくなった。


特に会話もなく、朝会った場所に来るとそこで彼と別れた。


秋月くんは家まで送る気でいたみたいだったけど、それはさすがに遠慮した。


余韻にも浸りたかったし。


秋月くんと一緒に帰ることができた余韻に。


それと合わせて、明日からも秋月くんに会えるということで家までの帰り道、足取りはとても軽やかだった。