「で、秋月くんとはどうなの〜?」



ある日のお昼休み。


机の上にお弁当を広げ、さあ食べようとしたところで突然に京子が切り出した。


秋月くんと帰るようになったことで、部長の告白もやみ、関わってくることもなくなった。


つまりは、教室で平和にお昼休みを過ごすことが出来るようになった。


朝も部長と鉢合わせないためにも、早い時間に家を出ていたがそれも気にしなくても大丈夫になった。


まあ、もう朝早く家を出るのが癖になっているから、それに関しては変わらないけど。


部活でも部長の存在をそんなに意識しなくなった。そんな頃。



「どうって、何が」


「付き合っているのか、いないのかよ〜」



箸で掴み上げたタコさんウィンナーが元入っていた位置へと転げ落ちた。


落ち着け、落ち着け私。


京子はからかいたいだけだ。


私の反応を見て面白がっているだけだ。


気にした方が負けというものだ。



最近は、特に言ってくることもなく、静かだった京子だけど、忘れている訳ではなかったのね。


機会を見ていたというところか。



秋月くんと一緒に帰るようになり、早三週間が経った。


秋空も段々と冬空へと足を進めている。



「その様子じゃ、まだみたいね」


「うるさいなぁ」



タコさんウィンナーを掴み直して口に投げ入れる。


もぐもぐと咀嚼を繰り返す私に京子が呆れ顔を浮かべている。