ー10年前ー
違う保育園に通っていた龍心とは、週末によく遊んでいた。
この日は、夏ということもあって、海に来ていた。
「わぁー!海だぁー!」
はしゃぐ幼いあたしと龍心と心結。
それを見守るお母さんとお父さん。
この時から既に、傍から見たら家族だったんだと思う。
でもこの時はもう、あたしにとって龍心はお兄ちゃん的存在であり、王子様みたいな存在だった。
「いたぁー!」
砂浜を走ってたらこけてしまったあたし。
「もおー、ここちゃんったら。
ほら、」
そう言って手を差し延べる龍心。
「りゅうくん、ありがとう!」
「別に」
お礼を言うあたしに、ちょっと照れるのはいつものこと。
そんな照れた顔があたしは今でも好きだ。
