図書館のカガミ



先独さんはずっと終始お兄様スマイルで優しい笑みを浮かべ「頑張ってね!」の一声残し香神さんの指示に従い去ってゆく後ろ姿と交互に入れ替わりいきり立つ香神主任の真顔に無言で悲鳴をあげつつ去りゆく背中を見送った。



「‥す‥すみません。」



香神さんが私の前にたどり着いた開口一番を絞り出し深々と謝罪した。



ツンとした目で私と箱を横目でやりすごして突然箱の持ち手に手をかけた。