ドアの方を見ると…、
そこには…、
見覚えのある人が。
余裕そうな顔でこちらを見ていた。
白くてふわふわな、
狐のような耳をつけてる人。
鮮やかな色の花が綺麗な
青色の着物を着ている。
その着物を着崩している
ところが妙に妖艶で…。
この人、どこかで見た。
誰だっけ…?
『…――み。…―よ。』
あ…この声。
分かる。
分かるよ。
『くるみ。来いよ。』
神楽だ…。
夢と同じだ。
涙が一粒こぼれ落ちた。
妖の姿の神楽は、1度見たことがあった。
けれど、今、ここにいる
妖の姿をした神楽は、私が
初めて知る、神楽の姿。
もう…、神楽をまとってる
空気が全然違う…。
余裕そうで、冷静で、凛々しくて…。
人間である私がみても、
“この人は強い”ってすぐ分かる。
私でも分かるくらいだから、
神楽はそれくらい、妖怪世界では
立場が上の妖なのかな…?
すると、
優太が神楽に話しかける。
「お前誰だよ。」
機嫌が悪いのか、神楽に
話しかける口調は刺々しくて。
まるで、喧嘩を売ってるみたい。
そう思ってしまうほど…。
神楽と私の目がばっちり合う。
「…!」
なんか、緊張する…。
すると、神楽が
「くるみ。」
私を呼んだ。



