妖恋愛






……――――何かがおかしい。





優太…何か…。



うまく説明できないけど、
何か、企んでる…?





やっぱ、なんかしっくりこない。





「くるみ、ここ入って。」





そう言われ、なかに入ると…、


そこは、いつぞやの空き教室…。



「ここ…。」





神楽との思い出が鮮明によみがえる。




私、ここで告白しようと
したんだよな…。





「くるみ、返事ほしい。」




あ…。


そうだ。返事だった。




変な間を置くのは良くないよね。
期待させちゃうよね…。



だから、




「ごめん。」





私の選択はずっと変わらない。


神楽のこと好きな気持ちは
やっぱり変わらないから。






「うん。知ってた。くるみが
俺をフルなんて、コクった時から
ずっと…分かってた。」





優太は笑顔でそう言った。


けど、分かる。




…心が笑えてない。





笑顔でそう言ってるのに、
優太はどこか寂しげで。





相手をフルって、こんなにも
胸が痛いんだね…。




ごめんね。


優太…ごめんねっ…!…







「だから、くるみ…、」





そう言って私の腕を
掴んできた優太。






「え?…優太…?」




だからって何…?





「俺さ、やっぱくるみが好きな
気持ちは変わんないだよ。」





「優太…っ!」






抵抗しても、優太はびくともしない。



『…――では、…――
が……――――んだ。』





誰かの声が頭に浮かぶ。




思い出せ。



…思い出せ。







『男と女とでは、力の差が
ありすぎるんだ。』





聞こえた。



神楽の声。







今、目の前にいるのは優太。


けど、私の知ってる優太じゃない。





優太の心はどこにあるの…?



今の優太、どこも見てない気がする。





「くるみ…」





私の名前を呼んだ優太。


どんどん優太の顔が近づいていく。







……こわい。



こわい。こわい。こわい。






「優太…も、やめっ…んっ!?」



優太と私の唇が完全に重なる。



どうして…。


なんで…。





涙が溢れてくる。




いろんな感情がまざって
もうごちゃごちゃしてる。




これは、

“悲しみ”と“恐怖”の

気持ちが一番大きい。







優太の舌が私の口内
へと忍び込む。




いやだ…。

優太の気持ちが伝わってくる。





今の優太、

“神楽ともこうしたんだろ?”

って思ってる。






もうやめて…。



もう…やめて…。




壊れちゃうよ。


私も、…優太も。






神楽…。
助けて…。





神楽…!!






バンッッ!!



空き教室のドアがものすごい
音をたてて、開いた。