裸の大将と言われた放浪画家、彼も一説には、アスペルガー症候群だったらしい。
1度記憶した風景、旅先での様々な情景や出来事、会話などを記憶しながら、旅を続け、施設に戻り作品を仕上げたり、何十日分もの日記を纏めて書いたりしたそうだ。
詩月はアスペルガー症候群ではないが、理久は詩月がパソコン構造のような記憶術と、再現術を持っているのかもしれないと思った。
「惑星」の第4楽章、第7楽章の演奏を終え、詩月は深く溜め息をつき崩れるように、その場に座り込んだ。
駆け寄ろうとした理久より、一足早くコンマスの男性が座り込んだ詩月に声をかけた。
「大丈夫か?」
詩月は短く答え、彼に訊ねる。
「あの……、ミスはなかったと思うんですが……。
まともな演奏でしたか?」
「はあ?」
1度記憶した風景、旅先での様々な情景や出来事、会話などを記憶しながら、旅を続け、施設に戻り作品を仕上げたり、何十日分もの日記を纏めて書いたりしたそうだ。
詩月はアスペルガー症候群ではないが、理久は詩月がパソコン構造のような記憶術と、再現術を持っているのかもしれないと思った。
「惑星」の第4楽章、第7楽章の演奏を終え、詩月は深く溜め息をつき崩れるように、その場に座り込んだ。
駆け寄ろうとした理久より、一足早くコンマスの男性が座り込んだ詩月に声をかけた。
「大丈夫か?」
詩月は短く答え、彼に訊ねる。
「あの……、ミスはなかったと思うんですが……。
まともな演奏でしたか?」
「はあ?」



