「目標が定まってるなら迷う必要は、ないだろう」
安坂の言葉に詩月の顔が曇る。
「迷ってるのは……体力が」
「あ……良くないのか?」
「いえ、体調ではなくて……その、怖いんです」
「怖い!?」
「普通に生活することが今でさえ不安なのに、異国の知らない土地で、知り合いもいないし、気候や風土、環境も風習も違う……体がついていけるのかって……」
「知らない土地、風習、環境とか……それは誰でも不安なんじゃないか?
主治医が条件付きでも留学を許可してるなら、決意しても」
詩月は五線譜を伏せ、シャープペンシルを机に置き、安坂の言葉に耳を傾ける。
真剣な瞳が突き刺さるようで、安坂は痛いとさえ感じる。
安坂の言葉に詩月の顔が曇る。
「迷ってるのは……体力が」
「あ……良くないのか?」
「いえ、体調ではなくて……その、怖いんです」
「怖い!?」
「普通に生活することが今でさえ不安なのに、異国の知らない土地で、知り合いもいないし、気候や風土、環境も風習も違う……体がついていけるのかって……」
「知らない土地、風習、環境とか……それは誰でも不安なんじゃないか?
主治医が条件付きでも留学を許可してるなら、決意しても」
詩月は五線譜を伏せ、シャープペンシルを机に置き、安坂の言葉に耳を傾ける。
真剣な瞳が突き刺さるようで、安坂は痛いとさえ感じる。



