風の詩ーー君に届け

周桜くんは、わたしの遥か先にいる。


郁子は、もう自分がどう足掻いても詩月の演奏には追い付けないと感じる。




郁子は小学生の低学年からずっと、数々のコンクールに優勝し、才媛だの実力者だの持て囃されてきた。



だが、「雨だれ」で詩月に負けて以来ずっと、自分の才能に自信が持てなくなっている。



詩月の演奏を聴くたび敗北感よりも、詩月の演奏への憧れが勝っていることに気付く。



詩月が過ごしてきた環境や様々な葛藤がどれほど、詩月を成長させたのか。


絶望から希望は生まれると訳した英訳から、2年。



頼りなくて儚げで危なげで見ていられなかった姿は、感じられない。


あなたは、何処まで成長するんだろう。

何処まで才能を伸ばすんだろう。