風の詩ーー君に届け

病室の扉を開ける。

人の気配を感じ、マネージャーは拒むように背を向ける。



詩月はマネージャーの背中に、声をかける。



びくついたように体を震わせたマネージャーが、「帰って」と消え入りそうな声で呟く。



「彼らを傷つけたくない、彼らを守りたい……昨日、あんなに真剣に話した人が、大事なコンサート前に……こんな所で何をしてるんですか?」


間を置かず、単刀直入に切り出す。


「あなたにはわからない」


マネージャーの声が震えている。



「人のことを『ローレライ』だなんて言ってまで、守ろうとした彼らを見捨てるんですか?」



「違う……」



勢いよく振り向き、詩月の姿を見るなり、サッと睨み返す。