風の詩ーー君に届け

「詩月さん、焦ってる」



遥に言われて、一気に顔が火照り、掌が汗で滲んだ。



動悸がし、胸の鼓動が半端ない。

目眩がする。



何て返していいか、わからない。



「お前はまた」


コツンと遥の頭をこつき、リーダー昴が助け船を出す。



胸の鼓動は止まらない。



「『ローレライ』って言われたのは初めてではないんだ。

何であんなに取り乱したのか……自分でもわからないな。

結構、色んなところで言われてて……でも何度聞いても慣れない言葉だけど」



緒方の件はさらり、スルーして本題に戻す。


「交代の話は何も聞いてないけれど、昨日は少し印象が違ってた。

何でも話せる優しい人って感じではなかったな。

恐かったよ」