風の詩ーー君に届け

迷っていると、緒方が「直接の原因なんて、本人にしかわからないわ。

話してみれば。
マネージャーと話をするつもりできたんでしょう!?」


勝ち気に、無遠慮に、話さなきゃ何もわからないわと急かすように僕をつつき、小声で言った。



「昨日……スポンサーとの件を聞いて、楽譜をもらった後……彼女から『ローレライ』って言われたんだ」


「『ローレライ』!?」


アイドルグループのメンバーが、「ローレライ」なんて言葉を知っているはずはないよなと思う。




「歌声で舟人を惑わし難破させるライン河の妖女……」


簡単に、でもできるだけ慎重に、話そうとした僕を遮り、緒方が容赦なく言い放った。